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ハッピーエイジング、ハッピーライフ
§ Vol.5 見た目の若さと中身の関係は…
通常いわれる年齢とは別に、
「年の割りには気が若い」とか
「精神年齢が幼い」といった
様々な年齢があります。生物学
的年齢というものもあります。
こちらのほうは計測可能で、肺
活量、動脈硬化度、心電図、骨
量などの生理機能と、筋力、瞬
発力、柔軟性などの運動機能か
ら割り出すのだそうですが、こ
の生物学的年齢は「見た目の若
さ」と相関しているという調査
結果が出ています。
加齢度をはかるアンチエイジ
ングドックを受ければ、自身の
くわしい「ホルモン年齢」「筋
肉年齢」「血管年齢」「脳機能年
齢」「骨年齢」「神経年齢」がわ
かり、それに基づいて自分
の健康メニューを作ってい
くことができるのでお勧め
です。
今後、医療は益々予防を
目指す方向にいくでしょ
う。病気になる前に自らの
問題点を察知し、検査で血
管のしなやかさが低下して
いれば、心筋梗塞や脳梗塞
にならないよう運動や食事
など生活習慣の改善、サプリメントや薬の服用、特殊な施
療を受けることで大病を未然に
防ぐようになっていきます。癌
が気になるなら「抗酸化度」
「免疫力」等のチェックをし、
有効な予防指導を受けるべきで
す。体の弱点をなるべく早く発
見し、その元凶となる体や心の
クセ、生活習慣を改めることが
健康体での長生きの秘訣です。
私の周囲にはそうした取り組
みに意欲的な人が少なからずい
て、取り組み方も実に様々で
す。禁煙はもちろん、酒量控え
目、運動を欠かさず、バランス
のとれた食事を心がける正統派
もいれば、とことん「若返り
法」を追求する人もいます。
遺伝子を含む癌チェックをし
たうえで成長ホルモン投与を受
けて若返りを図り、七〇歳にな
っても筋肉隆々としている人、
海外まで出かけて羊の胎児の細
胞を注射してもらう人、レーザ
ーによるシミ取り、歯のホワイ
トニング、エステで男（女）前
をあげる人……。みなさん「見かけが若々しくなると気も若く
なり、仕事にもよい影響があ
る」と言います。今後は「顔年
齢」「皮膚年齢」などもアンチ
エイジングドックのチェック項
目になるかもしれませんね。
私の兄は医者で日本抗加齢医
学会の会長をしていたのです
が、実験的に男性ホルモンのテ
ストステロンのパッチを貼って
みたら「ゴルフの飛距離が伸び
た！」と自慢していました。
「ホルモン年齢」を下げたので
すね。そのアンチエイジングの
エキスパートであるはずの兄
は、去年突然、急性心不全で亡
くなってしまったのです。七四
歳でした。前日までゴルフをし
ていたのですから典型的なＰＰ
Ｋ（ピンピンコロリ）です。
当人は「免疫力」が弱点と頻
繁に計っていたようですが、
「血管年齢」には自信があり、
あまり注意していなかったよう
です。患者には「健康な生活」
を勧めますが、医者自身はスト
レスが多く健康とはほど遠い生
活をしている人が結構います。
皮肉なことに医者の平均寿命は
決して長くないのです。
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