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ハッピーエイジング、ハッピーライフ

§ Vol.2 目的意識が“幸せ感”につながる


日々の業務に忙殺されながら「何でこんなせわしなく働くのか」「一体何のための人生か」と一瞬自問するものの、電話が鳴り、また元の雑務へとひき戻されていく──こういう人は多いのではないでしょうか。

「正しい方向づけ」がされていないまま年を重ねるとどうしても焦りが生じてしまいます。ハッピーエイジング、ハッピーライフに不可欠なのは「自分が本当にやりたいこと」、「天から<おまえはこれをヤレ>と付託されていること」に気づき、それに着手することであり、「なりたい自分像」を抱くことです。すると、あたかも潜在力が結集されたように力が発揮できるようになるのです。この「気づき」を手助けしてくれるのが以下の三つの設問です。

これはファイナンシャルプランニングで一番大切な「そもそも何のためのお金か」という目標明確化のためのツールで、「やりたいことを見つける」のにも大いに役立ちます。ぜひ、答えてみてください。


問1)
残念ですが、あなたの余命は5年〔10年〕です。でもその期間は何でもできます
──こう言われたらあなたなら何に取り組みますか? 生活をどのように変えますか?

→ 命が限られると日常の瑣末なことにとらわれることなく、「本当にやりたいこと」に目がいくはずです。

問2)
余命24時間と医者から告知されたとして、そのときの想いを書いてください。

→ 自らを、死ぬ間際の心理状態に臨ませ、そのときになって後悔するであろうことを今すぐ実行しよう、という発想です。「もっと子どもとの会話に時間をかけていろいろ伝えておきたかった」「もっと妻に感謝を表わしておけばよかった」といった具合に、思い浮かぶことがあると思います。

問3)
自分自身のお葬式のとき、友達にどういう人だったと評されたいですか?

→ どんなことをした、どんな生き方をした人間と言われたいですか。それを自らへの弔辞として書いてみましょう。


いかがでしょうか。本当にやりたかったことは何でしょう?ある人にとっては「社員のアントレプレナーシップを発揮させる仕組みをつくる」であったり、「寺子屋塾をつくる」「思いのたけを記した本を出す」こと、あるいは「その瞬間瞬間を生き切ることができる人間になる」ことかもしれません。

自分の方向づけに向けて一歩を踏み出すだけで、何かが変わります。たとえすぐには実行できなくても、第一線を退いて時間に余裕ができたとき、自分の目標に向けて全面的に生活を組み直すことができれば、何歳になろうと毎日、朝起きるのが楽しく、「生きていること」を実感できるに違いありません。

マサチューセッツ総合病院老人学研究所長のマリリン・アルバートは、1000人を超す80歳以上の人を対象に、「何が知能を高めるか」を調査し、結論として、「人生に目的意識をもつこと」を最大要素の一つに挙げています。目的意識は生命力をも呼び込むようです。

日本実業出版社・経営者会報 2009年3月号に掲載)
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