榊原節子のホームページへようこそ。
〜 トップページは、コラムと意見交換の場です 〜
ハッピーエイジング、ハッピーライフ
§ Vol.1 ハッピーに年を重ねる人の共通項は…
若い頃は「19歳で死んでもいい」と思っていました。19になると「あまり老け込まない35歳がちょうどいい」となり、35歳では「二人の子どもの成長を見届けてから」に、それが今では大きく変節し、「この際、死ぬまで生きてやろう」と居直っています。
団塊の世代≠謔閧ソょっぴり年長ですので、白髪が増え、物忘れが激しくなった……のは否定できません。でも精神的には「今が一番幸せ」というか比較的「居心地がいい」状態です。子育てを終え、仕事の現場から退いて責任やリスクに悩まされることが減ったからかもしれません。「自分との折り合い」をつけられるようになってきたからでしょうか。やりたい事をして行きたいところへ行き、「こんな風に」と想い描いていた姿に一歩でも近づいて、「ああいい人生だった」と呟いて、旅立てれば最高です。そんな私ですが、読者の皆さんと一緒に、素敵に年を重ねていく方法を考えていきたいと思います。
ハッピーに年を重ねている人を観察すると、そこには決まって共通点があります。「体が健康か、自分で健康と思っている」こと、「何か、のめり込んでいるものがある」ことです。「目的を持って生きている」ことがハッピーエイジングを呼び込むのでしょう。
また、適度な運動は、健康のためでなく「知的機能を保つ」のにもよいことが、種々の調査結果で明らかにされています。私の父がよい例です。綿密なデータを重んじる物理化学者だった父は、「よく歩く時期と歩かない時期」を設け、自分の頭の働き具合を比較検討したそうです。結果、歩くほうが断然よいと確信し、死の床につくまで毎日歩き続けました。
それも徹底していて、ある時期、東海道旧道を日本橋から京都の三条大橋まで歩き、74歳のときに『東海道中膝栗毛 科学閑想曲』という本にまとめて出版しました。父は84歳で亡くなるまでボケませんでしたし、末期ガンになっても、亡くなる一週間くらい前まで論文を書き続けていました。
健康長寿を目指すなら、体を動かすと同時に知的刺激が、他方、知的機能維持には頭を使うと同時に体を動かすという心身の密接な相互作用が不可欠なのでしょう。 もう一つ、大きなポイントが「社会性」です。首尾よく年を取った「成功加齢者」約1000人を八年かけて追跡調査した米国のマッカーサー財団成功加齢研究は、高齢者の健康と幸福の度合いを予測する因子として、「友人と話す回数と組織の会合に出席する回数」を挙げています(『年齢の嘘』日経BP社刊)。同じ活動でもその中身が濃いほど健康に与える影響は大きいのだそうです。
日本でも15年にわたる「老化と健康」の追跡調査が行なわれました。結果、健康に影響する要因として、喫煙や運動、食べ物などよく知られている要素のほか、男性では「団体・グループへの参加」、女性では「精神的な自立」が大きいと報告されています。
(お寄せいただいたご意見は、ご連絡・確認のうえで、
当ホームページ上でご紹介させていただくことがあります。)