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欧米資産家に学ぶ二世教育

§ 第81回 ショックを受けたときの対応 ― マイナス思考の上塗り法



ショックを受けたとき、あなたはどう対応しているだろうか。
簡単だが「まず深呼吸する」を実践する人は多い。 深呼吸は副交感神経を優位にして心を落ち着かせる効果があり、 これを広く推奨する医者もいる。

交通事故にあったときは「まず車の回りを一回りすること」というアドヴァイスを目にしたが、 これも心を落ち着かせるという意図だと思うが、周囲に誤解される危険があるのではないかと思った。

人間、ショックを受けると、それをオーバーに考えてしまう傾向がある。
一つの失敗で、自分という人間そのものに絶望する。
友人が 自分の悪口を言っていると聞くと、周囲の人全てが自分を悪しざまに言っているように思う。
だから、失敗したときはあえて明るく「ああ、いい経験ができた。ラッキー!」と考えたい。

ネガティブな思考にとらわれそうになったときは ひとまずその場(その感情)から距離を置く。
そういう習慣をつけることは、冷静さを取り戻す面でも大切だ。
怒りの感情が沸き上がったとき、食べ物などの誘惑にかられたときも同様で、深呼吸をしたり、 その場から身を外すなどしてすぐに反応しないことで、 感情に身を任せることなくより冷静な対応が可能になる。

アンガーマネジメントという怒りを抑える心理法でも、 人の怒りのピークはせいぜい6秒、その6秒を稼いで、 怒りのピークをやり過ごすテクニックを教えている。

いずれにしろ、ショックを受けたり腹立たしいときも、感謝したり、「素晴らしい経験ができてよかった」と 呪文のように唱えてみることである。
もともと人が思い浮かべることの80%はネガティブ思考と言われる。
特にネガティブ思考が習い性になっている人は、ことにつけ「やはりダメか…どうせ自分は…」「今までの努力は全て無駄か」 など半自動的にマイナス思考に振れてしまう。
それでもいいのである。
その後に「と、今までの自分なら考えたかもしれないけれど、もう違う!こんな経験ができて感謝!」と、 ネガティブ思考に上塗りをすればよいのである。

深呼吸をこんな風にやってみては?

●口を細くしてゆっくり息を吐き切る

●鼻からゆっくりと空気を吸い込む

●限界まで吸いこんだら、10秒ほど息を止める





(日本経営合理化協会日本経営合理化協会BOOK&CD・DVD Webサイト・ 『経営コラム・社長のネット情報局』に掲載)
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