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欧米資産家に学ぶ二世教育
§ 第75回 子どもにサポートチームを
親が子どもにしてやれることは躾であり、教育である。
お金を残してやることもいいだろうが、よいサポートチームを作ってあげる方がより効果的だと思う。
キリスト教信者の場合、親は子どもが生まれると、これぞと見込んだ人に名付け親になって貰う。いわゆるゴッドファーザー・ゴッドマザーとして後見人的な役割を期待するのである。親にもしもということがあれば「その時はよろしく」という気持ちもあろう。
昨今流行りなのがメンターである。
日本では企業のメンター制などとして知られているようだが、「メンター」とは ”仕事や人生に効果的なアドバイスをしてくれる相談者” のことで、 トロイ戦争に出てくる名教師の名前に由来している。
師匠のような存在だろうか。親に相談できないことだって話せる。名師匠につくことができれば、強力な応援団を得たに等しい。
柔道の山下泰裕氏は「自分のメンターは東海大学創始者の松前重義氏で、亡くなった今でも松前さんならどうされるか、どう思われるかを行動の基準にしています」と話していた。
親は子どもを自分の友人、知人に引き合わせる。
ロックフェラー回顧録を読むと、世界の名だたる人、芸術家や知識人、そして友人たちを自宅に招き交流を深め、それがよい子弟教育になっている様が如実に描かれている。
確かに、人生を知るよい機会、人脈の引き継ぎにもなろう。人生がより豊かに、カラフルになるし、子どものキャリアに有利なこと請け合いである。
特に代々続く家柄の人には、何世代にも亘る付き合いのファミリーフレンドがいる。それは時に日米、日英など国境をまたぐ。互いに滞在しあったり、留学時の世話など、貴重な存在だ。
最後に親戚の応援団。親戚、姻戚というと「めんどくさい」と感じる向きもあろう。時代遅れという人だっている。
しかし、人脈、家族文化の共有があるのだからまたとない応援団になり得るし、少なくともはなから排除することはないだろう。
コミュニケーションの仕方をマスターさせる絶好の機会ともなるはずだ。一族にファミリービジネスを抱えている場合、その必要性は特に高い。
私自身、実家のそして嫁ぎ先の家族、親族グループにどれだけ支えられ世話になってきたか。それだけに強くお勧めしたい。
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