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欧米資産家に学ぶ二世教育
§ 第6回 社会貢献と二世教育
米国の超大金持ちに育てられた人から聞いたのだが、クリスマスには毛皮やドレスのプレゼントと同時に
「・・という国に羊や牛をあなたの名前で寄付しました」
という証明書を受け取ったそうだ。
欧米の資産家は子弟に「恵まれたものはそれ相応の貢献をしなくてはいけない」ことを早くから身をもって教える。
宗教的伝統、文化的背景も然りながら、後継者教育、二世教育に有効という判断がそこにはあるように思われる。
小さなミニ財団を設け(海外の財団・公益信託は経費が安い)その運営を子供に担わせているある資産家は、
寄付をする際のノウハウ習得のみならず、コミュニケーション能力開発を含むリーダーシップ教育に役立つと明言する。
「自分たちが信じていることを伝えることになるし、どういうわけか親子関係がよくなった」という。
「他人のため」の心遣いをしているとき、人の心の垣根は低くなるのかもしれない。
社会にどう貢献するか、どう自分のお金やエネルギーを他人のために使ったらいいか、なぜそうするのか、
こうした教育は日本では従来余りなされてこなかったと思う。結果、自己虫を生んでしまい、それが親への態度にも跳ね返っているのではないか。
「経験不足で教えられない」と、日本の親はいう。では今から始めてみたらどうだろうか?
家族で話し合って同じボランティアをする、額は僅かでも寄付先を家族で相談して決めるなどが、
遠回りなようで確実な二世教育、後継者教育になるはずだ。
今後日本では企業としては勿論のこと、個人レベルでも、「社会的貢献」を自分のスタイルで
実践していくことが求められていく時代になっていくと思う。
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