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欧米資産家に学ぶ二世教育
§ 第46回 資産やビジネスを相続したアメリカの女性たち その2
やはり前回同様「女性と富」の会議で会った人達の話である。
大富豪と言われる人達の子弟は贅沢な生活、実社会から隔離された生活を
送ることになる。
それが往々に彼らの成長にとって弊害や不都合をひきおこす原因
であることを認識する親たちは、あれこれと対応策を講じるのである。
メディア王だった人の令嬢は著名な作家になったのだが、こう述べている。
「父から、うちは貧乏だと言われて育った。大きな家に住んでいるし、5人もお手伝いさんが
いるので少しおかしいとは思ったが、ともかく父がそういうので自分も貧しいと思い込んでいた。
おかげで、あらゆる階層の人と友達になれたから、それはそれで却ってよかった。」
彼女が育った1950年代の南部で黒人と遊んでいたというのだから、親としてはかなりの英断だ。
ところが「金銭教育の方は全くされず、いろいろ騙されたけれど騙されたことすら分からなかった」と言っていた。
前回も書いたようにアメリカでは、女性を「お金のことでわずらわせるのはいけない」という
伝統的な社会風潮があり、結婚後夫に資産をとられてしまうケースが
後をたたない。
だから娘を持つ親は「どうしたものか」と悩み、賢明な人は熱心に金銭教育を施すのである。
あるファミリー企業のオーナーには4人の娘がいたのだが、その長女は「家業につけとは
言われなかったが、お金の訓練はきっちりされた」と話してくれた。
結局、彼女はファミリー企業に参加することになるのだが、妹達は専業主婦、でもみんな
お金にはめっぽう強い。
彼女自身今度は自分の娘にしっかりと金銭教育をしているという。
たとえファミリー企業に加わらないにせよ、株主としての責任は重大なので、その面からも
「お金にしっかりした」子弟に育てる必要があるのである。
さもないと企業の存続すら危うくなってしまう。
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