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欧米資産家に学ぶ二世教育
§ 第40回 危機時の対応をどう教えるか
次世代へのバトンタッチを考えている社長から「まだ修羅場をくぐっていないし
ここで譲っていいものか──」という発言を聞く。
平時は古参の社員が脇を固めるなどなんとかなろうが、果たして危機時に対応出来るのか、
親にしてみれば経験不足故の後継者が心配でならないのだと思う。
今回の東電、以前の船場吉兆、古くは雪印のスキャンダル、
いずれも非常時の対応が極めてまずかった。
対照的だったのが、イスラエルの大型コンテナ船が日本の漁船と衝突して死者が出た事故。
イスラエル側は落ち度ありと判明した段階で即日謝罪、
翌日にはイスラエルから社長が直接日本の漁村に出向き、遺族に陳謝していた。
また「沖縄はゆすりの名人だ」などと発言したとされるメア日本部長の問題。
発覚したのが今年の3月7日、キャンベル米国務次官補は10日松本外相と会談、謝罪し、
メア氏の更迭を発表、同日ルース駐日米大使は急遽沖縄県を訪れ仲井真弘多知事に陳謝している。
素早い動きである。
どのような事態が世界のどこで起こるか皆目見当がつかない世、後継者には事故対応、
危機管理のケーススタディーなどの訓練が必要だ。
日本人は官民問わず非常時対応に弱い。コンセンサスによる決定方法は危機時に向いていない。
トップダウンのすばやい決断が可能なファミリー企業は
危機対応に強みが発揮できるはずだ。
さらに最近はリスクコンサルティイングを業としている会社がある。
いざというときはそこを雇うのも一法だろう。
マスコミ対応一つをとっても誤れば二次的な危機を招いてしまう。
すばやい動き、適切な処置は是非とも二世教育の一環として教えておきたい。
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