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欧米資産家に学ぶ二世教育

§ 第29回 スイスのボーディングスクール



スイスの名門ボーディング(寄宿)スクールは世界のエリート、王族、上流階級、資産家が子弟を送り込む先として知られている。 日本人では建築家の丹下健三さん、デザイナーの森英恵さんのお子さんが卒業生である。

米国のボーディングスクールは主に高校生を対象としているのだが、スイスでは幼稚園から高校三年生まで幅広く受け入れる。 一教室の生徒数20名以下というきめ細かな個別指導が特徴で、能力のある生徒の場合はどんどん新しい難しい課題が与えられ、 学歴にこだわらない子弟にはそれなりのプログラムが用意される。

日本の受験システムに煩わされることなく、美しく安全な環境下での勉学やスポーツには確かに魅力がある。 英語が得意でない生徒のための配慮もあるので授業についていきやすい。ルームメイトが中東の王女さまだったりと、 世界の名門ファミリーの子弟に友人ができる。豊かな自然に囲まれ、スキー場にも近く(実際中には冬の間スキー場に教室を移してしまうところもある)、 ヨーロッパ文化の粋に触れる機会は多い。

多くの生徒はインターナショナルバカロレア始め英米仏独高校卒資格を得て、世界の著名大学へと巣立っていく。

英国にも同様の幼児から受け入れるボーディングスクールがあるが、スイスの場合は、30〜100カ国からの子弟が集まる多言語環境、 国際性が特徴である。しかし費用は高く、授業料と寮費だけで年間500〜700万円かかる。

海外に子弟を出す時考慮すべきは資金面のほか以下の点である。
1) 日本も含めた大学への進学、就職に対する見通し
2) 日本人としてのアイデンティティをどう考えるか(日本語、日本史はじめ日本人としての常識など)
3) 早くから親元を離す是非
4) 子供自身の考えや適性(コンプレックスを抱くことはないか等)
慎重な判断が求められる。

(スイスラーニングよりの提供)


(日本経営合理化協会AV局Webサイト・『経営コラム・社長のネット情報局』に掲載)
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