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欧米資産家に学ぶ二世教育
§ 第19回 幸せ教育
かなり前のことになるが、コンピュータ関連の会議で講演者の一人が「もうコンピュータの仕事はやめて、
どうやって自分が幸せになるかに集中したい、勿論コンピュータを使ってね」と語っていた。
その後、彼がその課題に成功したかどうかは分からないが、昨今やたらと「幸せ学」「幸せ研究」を目にするようになった。
友人たちの中に確かにいつも「楽しそう」にしている人がいる。特別なことがなくても何故か楽しげでハツラツとしている。
「あれは両親の生活態度を見て学んだのかな、或いは生まれつき遺伝子的にセロトニンが大量に出るのだろうか」などと量りかねていた。
最近読んだマーシー・シャイモフ著、茂木健一郎訳の『脳にいいことだけをやりなさい!』によれば、どうも私たちの脳には
一定の「幸せ度」が設定されており、たとえ悲劇的なことが起ころうと、ゆくゆくは「一定の幸せ度」を維持しようとするというのだ。
それは平均体重と同じで、「意識的に変えようとしなければ」いずれ同じ値に戻る。
同著には幸せ度アップの方法まで書かれており、「【今】に意識を集中させること」「宇宙は自分に優しいと感じること」
「ひたすら感謝して進歩を喜ぶように」「エネルギーを拡大させること」と続く。それには自分を認めて、「押し殺してきた感情や過去の経験を受け入れ」
「自分はダメな人間だという思い込みを捨てる」などアドバイスは更に詳細に及ぶ。
同書が提唱していることは特段目新しいことではなく、古今東西の幸福論、宗教の教え、更に精神分析医の観察等と
ほぼ同じ路線であるように思える。もっとシンプルなのが、技術コンサルタントで講演者としても引っ張りだこの工学博士 五日市剛氏の「ラッキー」哲学。
五日市氏とは一緒に旅行したこともあるのだが、毎日周囲に「あなたラッキーですか」と問いかけ、「ラッキー」という返事を貰う。
この言葉の魔力で幸せになれ更に運勢が開けてくるというもの。ご興味がある方は彼の講演録『ツキを呼ぶ魔法の言葉』を参照のこと。
親はみな子供に幸せになってほしいと願う。それなら幸せになる教育も必要なのではないだろうか。
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